しゃんぶろう通信

姫川みかげ です。ミステリやSFの感想など。

「おくりびと」

http://www.okuribito.jp/statics/introduction.html

静かな、でも内に熱い想いを秘めた作品。納棺師を演じる本木雅弘が素晴らしい。

本木雅弘も、妻役の広末涼子も、社長の山崎努も、自分の想いや本当の気持ちをセリフで語るのではなく、小さなエピソードの積み重ねや表情の変化で観る者に感じさせてくれる、そんな演出に、いやそんなさりげない演出だからこそ大きく心揺さぶられる。もう、泣きまくり。

最初は嫌々だった「死者を送る仕事」を次第に誇りに感じていく主人公の心の変化。夫の仕事に大反対だった妻の、やがて夫の仕事を認め誇りに思うように変わっていくさま。失踪していた父への主人公の想い…。うーん、素晴らしすぎる…。

やたら何でも言葉で説明しがちな、そんなTVドラマの延長線みたいな映画と違って、こんな風に映像で語る作品こそが真の映画だと思う。今のところ、ぶっちぎりの「今年観た邦画」第1位。もう一度観たい。

#あとは「トウキョウソナタ」を観て、順位が入れ替わるかどうか。

#そうそう、いろんな記事に「妻役を初めて演じる広末涼子」って書いてあるんだけど、東野圭吾の「秘密」って妻役だったんじゃ…(まあ、身体は娘って設定でしたが)。