しゃんぶろう通信

姫川みかげ です。ミステリやSFの感想など。

「第134回直木賞」大予想!!

ネットのあちこちで、あの人もこの人も予想してるから私も久々に予想しちゃおうっと。

今回の直木賞候補作は次のとおり。


ここで、直木賞受賞作の特徴をおさらいしてみましょう。多少(?)独断が混じってますが、そんなに間違ってないと思う傾向は以下の7点。つまり、


1.「この作品が取らないとおかしい!」とみんなが考える作品は受賞しない。
2.「この作家だったら、今回の候補作より以前に出た○○の方が絶対ふさわしいのに!」という作品は、得てして受賞する。
3.山本周五郎賞の後追いが好きなので、山周賞受賞作家は1〜2年後によく受賞する。
4.シリーズの2作目だろうが3作目だろうが関係なく受賞する。
5.文庫とノベルスは絶対に受賞しない(というか、候補にすらならない)。
6.純愛ものは、某審査員の影響かどうかわかんないけど、まず受賞しない。
7.新本格は受賞しない(トリッキーなものはダメ)。


ははは、好き放題書いてるな〜(笑)>自分

で、この7つの基準に当てはめて考えてみると、誰もが「これで取らなきゃ永遠に無理!」と考えてる東野圭吾の「容疑者Xの献身」は、まず1で引っかかって駄目。6も、渡辺@愛ルケ@淳一先生に「肉体的な繋がりがなければ恋愛じゃない!」と一刀両断されそうだ。さらに、小説に仕掛けられたトリッキーな面が、7に抵触してアウト(だいたい「本格ミステリベスト10」上位の作品が直木賞を取ったためしはない)。というわけで、哀しいけど「容疑者Xの献身」は取らないような気がします。いや、私は取ってほしいんだけどね。

その点、伊坂幸太郎は、「魔王」や「砂漠」の方がいいと思ってる人が多いだけに(「死神の精度」の評判がイマイチなだけに)、2の基準から可能性は逆に高いかも。
恩田陸は、作品そのものも評価は高いけど、シリーズ第2作という点が4の基準に合格。でも、4の基準は十分条件ではあっても必要条件じゃないから、ちょっと弱い。
荻原浩は今までにもっとふさわしい作品をいっぱい書いてるから、2の基準は満たしてるし、何と言っても3の基準をクリアしてるのが大きい。ほんと、直木賞って山周賞より1周遅れってパターンが多いからねぇ。
恒川光太郎は、さすがにこの面子の中で受賞はないでしょう。今回はお得意の様子見ってとこかな。
姫野カオルコは「「ツ、イ、ラ、ク」あたりで取ってほしかった…」とみんなに思わせるあたりがポイント高し。とにかく、みんながしっくりこない作品で受賞するのが直木賞直木賞たる所以ですから!!(強調)


…というわけで、私の予想は次のとおり。


本 命 : 伊坂幸太郎 「死神の精度」(文藝春秋
      姫野カオルコ「ハルカ・エイティ」(文藝春秋)( W受賞 )
対 抗 : 荻原 浩  「あの日にドライブ」(光文社)


希望はあくまで東野さんなんですけどねー。はてさてどうなりますことやら。発表は今月の17日。もし「容疑者Xの献身」が受賞したら、山に芝刈りに修行にいくことにしよう…。