しゃんぶろう通信

姫川みかげ です。ミステリやSFの感想など。

【修正版】2005年に読んだ本ベスト10

手帳を読み返したら、何冊か読んだ本を忘れてたので、大晦日にアップしたランキングを一部修正しました(だいぶ、気も変わったし)。ついでに一言コメントと読書感想へのリンクも追加しましたので、ご覧下さいませ。


【修正版】2005 年に読んだ本 ベスト10


1.「ウェルカム・ホーム!」(鷺沢萠 →(感想)
ラスト20ページで4回も号泣した泣かせ本。文句なしの1位!


2.「扉は閉ざされたまま」(石持浅海 →(感想)
最後まで密室が破られないという前代未聞と言える倒叙ミステリの傑作。犯人と探偵役の女性の丁丁発止の推理合戦が見もの。古畑任三郎とか好きな人ははまるかも。


3.「ディアスポラ」(グレッグ・イーガン
ソフトウェアと化した人類が到達する真実を描き出す感動作。「これだけハードな設定のもとストーリーを展開してラストは○○○かい!」との意見もありますが(笑)、すべてのSFファン必読の作品。


4.「神様ゲーム」(麻耶雄嵩 →(感想) 
ラスト近くまで端正に美しく築き上げたロジックを惜しげもなくぶち壊す麻耶節は健在。賛否両論で私も否定派でしたが、時間の経過とともに「こういったのもありかも」と評価アップ。一読の価値ありの問題作。


5.「となり町戦争」(三崎亜紀) →(感想)
「見えない戦争」の静けさが不気味。実際の戦争もこんな風に始まり進んでいくんだろうと思わせるリアルさが秀逸。


6.「アジアの岸辺」(トマス・M・ディッシュ
巻頭の「降りる」で一気にとりこに。有名な「リスの檻」よりもむしろ、アイデンティティのゆらぎを描いた濃密な表題作の方が好み。


7.「魔法」(クリストファー・プリースト →(感想)
最後の最後で「現実と非現実の境界」が崩壊するさまが想像を絶する、天下の奇書。


8.「リピート」(乾くるみ →(感想)
時間SFミステリの傑作。こんなに面白いのにあまり話題にならなかったのが残念。だまされたと思って読んでほしい一冊。


9.「容疑者Xの献身」(東野圭吾
ヒロインに魅力を感じないのがマイナスポイントだが、天才同士の友情が心を打ち、トリックの凄さ(というかそうしたトリックを実現させた犯人の想いの凄さ)に驚愕させられる。


10.「タフの方舟」(ジョージ・R・R・マーティン) →(感想)
久々に、堅苦しくなくて、わくわくと心から楽しみながら読むことのできたSF。いや〜、これは面白かった!


次点「みんな行ってしまう」(マイケル・マーシャル・スミス) →(感想)
これまでの作品と、がらりと趣を変えたM・M・スミスのSFホラー短編集。わずか数ページの表題作でいきなり引き込まれ、あとは一気。埋もれさせるには惜しい作品集だ。


うーん、何か次の瞬間に順位を全部変えてしまいたくなりそうだけど(笑)、キリがないので、これで確定ということで。今年はもっと本を読んで、年末ベスト選びで迷いまくるようになりたいものですわ。