しゃんぶろう通信

姫川みかげ です。ミステリやSFの感想など。

「純喫茶磯辺」


http://www.isobe-movie.com/ (エントランスをクリックすると予告編が見れます)

8年前に妻が家を出て以来、高校生の一人娘と暮らす水道工員の磯辺裕次郎宮迫博之)。父親が急死して多額の遺産を手にした彼は突如喫茶店経営を思いつき、無計画にも“純喫茶磯辺”を開店させる。閑古鳥の鳴くダサい店は、美人の素子(麻生久美子)をアルバイトに雇ってから一転、クセモノばかりの常連客でにぎわい始める。(Yahoo!映画より引用)

まず、この喫茶店のダサさがすごい。田舎の商店街とか駅前とかにたまに見かける「昭和のサ店」を今の時代に開店しようっていうんだから、高校生の娘が反発するのも当たり前なんだけど、反発して文句言いつつも父親を手伝う、この辺の自然な描写がなかなかうまい。会話も「ほら、あれだよ、あれ」が連発されたりとか、作りこんだ脚本のセリフって感じじゃないのがいい。

仲里依紗は「ハチワンダイバー」のみるくとか受け師さんといった変わった役でしか知らなかったので、普通の高校生役の自然さとかわいさに感動。仲里依紗ファンは必見。
でも、この映画の見どころは何と言っても麻生久美子。ぶっとびキャラなんだけど、単に変な役っていうんじゃなくて、絶対に嫌われるタイプの嫌な天然キャラを見事に演じてます。さすが。

けっこうコミカルに作ってあるけど、時々はっとなるセリフがあったりとか、じわっと感動させたりとか、侮れない作品。傑作というわけじゃないし、他の人が見ていいのか悪いのかよくわからない映画なので人には勧めませんが、私としてはすごく気に入りました。今年の映画の上位に来るかも。