しゃんぶろう通信

姫川みかげ です。ミステリやSFの感想など。

「壁に書かれた預言」ヴァル・マクダーミト

壁に書かれた預言 (集英社文庫 マ 7-10)

壁に書かれた預言 (集英社文庫 マ 7-10)

英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞受賞作家の初の短編集!
鮮やかな大逆転、驚愕の結末19編

大作家にだまされた女の復讐劇、昼食会の料理で呼吸困難になった男の理由、愛車を盗まれた依頼人に一矢を報いた私立探偵、店頭の毒物混入事件の真犯人は?過激なセックスに溺れた堅物の弁護士の悲劇、八歳のときから悪の道に入った男、真人間をめざしたが……英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞受賞作家が初めて編んだ傑作19編。「色とりどりの想像力の見本市のような一冊」(サラ・パレツキー)。(Amazonより引用)

★★★★

サイコサスペンスの名手(らしい…すみません、私、全然この作家知りませんでした…)ヴァル・マクダーミト初の短篇集。以前、新聞の書評で褒めてたので軽い気持ちで手に取ったんだけど、これが思わぬ収穫。

普通のサスペンス物だと思って読んでたら、最後の最後であっと驚く結末を迎えるものも多く、かなり楽しんで読むことができました。まあ強いて難点を挙げるとすれば、作者が同性愛者ゆえ、やたらとレズビアンカップルばかり出てくることか。

どの短編も面白いけど、特に気に入ったのは「油断大敵」「得がたい伴侶」「残念賞」。これらの皮肉な結末はけっこう好み。一度、この作者の長編も読んでみたい。