しゃんぶろう通信

姫川みかげ です。ミステリやSFの感想など。

「犯さん哉」(at シアタードラマシティ)

ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出、古田新太座長の問題作、「犯さん哉」(笑)
すっかり失念してたんですが、SUGARさんに教えてもらって慌ててシアタードラマシティに観に行ってきました(その割には1階7列目ど真ん中という良席でラッキー!)。


で、感想ですが…。



バカだ…(笑)



真剣にバカだ…(^^;



私も今まで25年くらい、いろんな芝居観てきましたが、ここまでとことんバカで、デタラメで、くだらない芝居を観るのは初めてかも…(←最大級の褒め言葉です)。


ひたすら貧乏で学校ではいじめられ世界の破滅ばかりを夢見る古田新太14歳は、ある時、いじめっ子たちを陥れ復讐するとともに、大好きなクラスメイト・中越典子の好きな先輩に罪をなすりつけ刑務所に送り込む。20年後、作家の夢破れゴーストライターに身をやつした古田は、影の存在に耐えられなくなり表舞台に出ようと画策するも、意識不明となった父の存在に心を乱され、典子は出所した先輩を迎えるも別の男の子どもを宿してしまう。そして、世界はじわりじわりと破滅に向かって時を刻んでいく…。


…な〜んて書くと、すっごいシリアスなドラマみたいに聞こえるけど、全然違いますから!(笑)
いや、ストーリーは確かにこのとおりなんだけど、ストーリーなんてあって無きが如し、ただもう、最初から最後までひたすら妙にずれたシュールで不条理な会話の応酬に死ぬほど笑わされまくるのみ!


ドタバタでスラップスティックな笑いではなく、わざと外した言い回しと絶妙の間の取り方でもって延々と笑わせ続けるという、ある意味、脚本家と役者の才能が極限まで試されるこの芝居、いや〜、みんな期待に応えてくれましたね〜。
古田さんなんかこないだの新感線の「犬顔家」よりも10倍くらいノリノリだし(なんせ、SUGARさんも強調してるように、ほとんど全編白ブリーフ1枚だし(笑))、入江雅人、八十田勇一、山西惇、大倉孝二犬山犬子らベテランの面々の面白さもハンパじゃない(ちなみに私としては、今回のMVPは大倉さんだと思う。もう面白すぎ。最高ですわ…)。
あと、私は中越典子の大ファンなので、その点でも大満足〜(側転アタックとか(笑))


いや〜、とにかくもう、あとには何も残らない、ただひたすら笑わせることだけを追求したおバカな芝居の金字塔(笑) もうちょっとで見逃すとこだったので、SUGARさんには感謝、感謝ですわ(^^)
日曜日までやってるので、興味を持った方はシアタードラマシティにGO!