SFマガジン2007.1月号感想
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/11/25
- メディア: 雑誌
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「ドラッグSF特集」
ここ数年、1月号といえば翻訳作品がせいぜい1本くらいしか掲載されず不満だったわけですが、今年は4本ということで数という点だけをとらえるとまぁ満足。でも、内容となると…。確かに近年のドラッグSFの傾向と状況を概括的に紹介しているという資料的な観点から見れば優れた特集なのかもしれないけど、単純に面白い作品をたくさん読みたいライトファンな私としては「どうよ?」って感じ。ちまたの中間小説誌(小説○○とかね)のように、人気作家をだだーっと並べて一丁上がりっ!…って構成は、ジャンル内で唯一の海外短編SF雑誌としては無理なんでしょうかねぇ…。
「ライトと受難者」ジョナサン・レセム +1
ストーリー的にはたいしたことないが、「受難者」というなんだかよくわからない設定が私にはツボ。ひたすらつきまとってるかと思うと、大事な時には他所でセックスしてたりとか(笑)
「二人称現在形」ダリル・グレゴリイ +1
一度失われた人格は二度と戻らないという現実を過度に感傷的にならずに描いた秀作。「議会の決定」と「女王陛下のメッセージ」のくだりはすごく興味深いんだけど、これって学術的に正しい内容なの? それともダリル・グレゴリイの創作が入ってる?
「デイドリーム・ネーション」ポール・ディ・フィリポ -1
iドリーム全盛の世の中でも、最後はやっぱり生の言葉と気持ちなのよ…ってラブストーリー(なのか?) まあ、ドラッグSFの一つの形ということで取り上げられたんだろうけど、さして面白くない。…っていうか、これってドラッグSFなの? 拡大解釈しすぎでは?
「熱力学第一法則」ジェイムズ・パトリック・ケリー +0
これもあまり面白くなかったんだけど、往年の名投手のエピソードがちょっとよかったので、おまけで「+0」。