しゃんぶろう通信

姫川みかげ です。ミステリやSFの感想など。

「親切なクムジャさん」

mikage_H2005-12-01


オフィシャルサイト→http://kumuja-san.jp/

いやー、つい数日前までタイトルから勝手に「心が洗われて泣ける韓国映画」と思い込んでたけど、これが大間違い。あの傑作「オールド・ボーイ」の監督による「復讐もの三部作」の第三弾と聞き、「今日は「映画の日」だし、仕事は出先から直帰だし…」ってことで見てきました。

事前にチェックしてたネット評では「「オールド・ボーイ」には及ばない」って意見が大半で、確かに「オールド・ボーイ」の方が出来は上なんだけど、あの大傑作と比較したらどんな映画も負けちゃうのは当たり前なんで、それほど期待していなかった分、衝撃度も高かったように思います。

誘拐した子を殺したという冤罪で13年間も服役し、ようやく出所したクムジャ(イ・ヨンエ)。彼女はなぜ犯してもいない罪を被ったのか? そして、一体誰に復讐しようとしているのか? 刑務所時代(過去)と現在がカットバックでもって交互に描かれる前半は、はっきりいってイマイチな部分もありましたが、復讐が成就に向かう後半になると一気に面白さが加速し、その後の「意外な展開」に突入すると、目は見開いたままで息が止まっちゃうような恐ろしさ。まあ、このあたりをどう捉えるかは人それぞれだと思いますが、


小さな子どもを持つ親(なかでも感情移入しやすい人)は、はっきり言って見ない方がいいかも…。


って思うほど、見ていて心が抉られるかのようでした。特にあの○○○をみんなで見るシーンは、確実に心の奥深いとこが傷つきましたね…。


それにしても、イ・ヨンエの演技は絶品でした。ラスト近くの泣き笑いの表情など神懸かってるのでは?と思うくらいの素晴らしさ。不満な点はいろいろありますが、それを補って余りある衝撃作でした。採点は85点ってところかな?