SFマガジン2006.9月号感想
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/07/25
- メディア: 雑誌
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「ダン・シモンズ特集」
いや〜、半年余りもSFM考課表をサボってしまった…。モー娘。ばかりにうつつを抜かしてないでこちらも今月からぼちぼち復帰いたしますので、どうかご容赦のほどを…。
ところで、読むのがやたらと遅い私はまだ「イリアム」と格闘中ですが(今、真ん中の手前あたり)、今月号は「イリアム」を読むにあたり実にタイムリーな特集でした(特に「アヴの月、九日」)。あ、あと4ページからのイラストも、イメージ喚起の一助となってよかったですね。欲を言えば、特集と言うからにはもう一編くらい欲しかったかも。
- 「アヴの月、九日」ダン・シモンズ +2
「イリアム」の前日譚。ポスト・ヒューマンによって無力化した古典的人類が「最後のファックス」を迎えるまでの日々を描いた本作は、滅びゆく運命にある人類の物悲しさが全編にうっすらと漂い、独特の味わいを醸しだしていてけっこう好み。私は「イリアム」を読む前にこの作品を読んだので、基礎知識を事前に得ておくという意味ではよかったけど、読書の楽しみという点では、彼らの運命を知った上で(「イリアム」を読んだ上で)本作を読んだ方がより味わい深かったかもしれない。
いずれにせよ、本作は単体での評価は難しい。「イリアム」との併せ技で「+2」というところか。
- 「カナカレデスとK2に登る」ダン・シモンズ +2
SFとしてはどうかわからないけど、純粋に山岳小説として面白い。異星人と地球人の間で芽生える友情が素晴らしい。ラストでは泣かされるし。でも、最後のベタな一文には少し興醒め。
- 「チューリング・テスト」草上仁 +0
発想は面白くそれなりに楽しめたけど、可もなく不可もなく。