しゃんぶろう通信

姫川みかげ です。ミステリやSFの感想など。

京都SFフェスティバル2005参加レポート(その2)【合宿篇】

えー、いつまでもガキさんモーニング娘。新垣里沙さん)のことばかり書いてると、SF系やミステリ系の方々に見捨てられるので(いや、もうすでに見捨てられてるかも(笑))、ここらで京フェスレポートその2でも書いておきますか。
ちなみに、レポートその1はこちら → 京フェス参加レポート(その1)【本会企画篇】

合宿オープニング(19:00〜)

本会企画が長引いたので食事に行くのが遅くなり、さわや旅館には30分も遅れて到着。恒例の小浜さんによる紹介が始まってたのはいいんだけど、なんか大広間が満杯状態で、最初しばらくは「ゴロ階段」に腰を下ろすことに…(ゴロじゃないのに…(泣))
しばらくして、なんとか大広間に身体をねじ込ませ、みんなで乾杯。それからBANANAさんと2人で買いだしに。
さわや近くのローソンに行って、おやつとかをいっぱい買って、併せて2人とも疲れてるからとスタミナ栄養ドリンクを買ったんだけど、よく考えたら、男女のカップルが夜にコンビニで栄養ドリンクをいっしょに買う図って、他の人からみたら、なんかこれから夜に向けて「まあ、すごく気合いが入ってるわね〜」みたいに見えたのでは…(爆)。あぁ、恥ずかし… (^^;

合宿企画#1「初心者向けSF用語集作成準備会」(20:30〜)

牧紀子さんと石井龍さんが中心となって、「SFファン交流を考える会」の新人を対象に「少なくともこれくらいの用語は知っておかなきゃだめですよ〜」といった初心者向け用語集をみんなで作り出していこうという企画。「SF大辞典」や「世界のSF文学総解説」をベースにした叩き台の資料はあったんだけど、50音順の用語の一つ一つを大先輩の方々が蘊蓄を傾けながら議論して決めていくのでちっとも進まない…。「アニミズム」とか「オカルト」とか「それってSF用語ぉ〜?」っていうのもいっぱい出てくるし(笑)
牧眞司さんが何度も会の主旨を確認しつつ軌道修正を図ろうとされてましたが焼け石に水…。結局、た行までしかいかなかったけど、基本となる用語もほとんど知らない私としてはけっこう勉強になり楽しかったですね(あの場の雰囲気では、とてもじゃないけど「それ知らない」とは言えなかった… (^^; )。
ただ、もし本気で一番最後の項目まで行く気であったならば、適宜、議論を途中で切ってでも、もう少しサクサク進めていくような仕切りが必要だったと思うのですが…。

合宿企画#2「『ディアスポラ』の部屋」(22:00〜)

志村さんによる恒例のイーガン解説。志村さんによると、この作品については「笑った」という人と、それ以上に「感動した」という人がいるが、一番多いのは「まだ読んでない」という人らしい(笑) あれだけのページ数を費やして、結局最後は○○○かよ!っていうのは至言。個人的には、なぜヤチマとパオロがあそこまでトランスミューターを追い続けたのか、その心理的背景を解説してもらえたのが収穫。志村さんには企画が終わってからも、ヤチマの最後の行動についていろいろと語り合うことができ、楽しかったです。お付き合いいただき、ありがとうございました。

合宿企画#3「<未来の文学>」(23:30〜)

国書刊行会樽本周馬さんに、<未来の文学>第二期のラインアップについてたっぷりと語っていただく企画。もう、あまりに素晴らしくておなかいっぱいですわ。国書のサイトでもすでに告知されてますが、ジーン・ウルフ『デス博士の島その他の物語』、アルフレッド・ベスター『ゴーレム100』、クリストファー・プリースト『限りなき夏』、サミュエル・R・ディレイニー『ダールグレン』、そしてさらにアンソロジーとして、浅倉久志さんによる『グラックの卵』(ボンド、カットナー、スラデック、ジェイコブズ他)、若島正さんによる『ベータ2のバラッド』(ディレイニーエリスン、ロバーツ、ベイリー他)の豪華6冊! ここには書けない裏話もいろいろお聞きすることができました。とにかく、このラインアップが実現し、さらには次なる第三期に繋げていくためには、冬に出るラファティの「宇宙舟歌」の売れ行きが大きく影響するらしいので、みなさん必ず買うように!(笑)

合宿企画#4「二次元学科 ジュブナイルポルノ講座」(25:00〜)

元さんとタカアキラさん主催の企画だけど、実質的には、元さん、u-kiさんによる差しの勝負だったような… (^^;
最初、エロエロの面白おかしいだけの企画かなと思ってたけど(まあ、u-ki節は健在でしたが…)、実際には、今のジュブナイルポルノ界の出版事情や、ジャンルとしての限界や閉塞性についてつぶさに実情が語られ、こっち方面はまったく素人の私としてはかなり興味深い内容でした。榎本さんらが「ジュブナイルポルノは小説じゃなくて実用書にすぎない」と語るのに対し、ジュブナイルポルノの書評家である元さんが「それはわかっているが、それでもなおその中に小説として光るものがあるんじゃないかと思わなければ悲しいじゃないですか」と反論する構図が、元さんのこのジャンルに賭ける熱き想いが伝わってきて、よかったと思う。
企画が終わってからも大広間で、実駒さんらといっしょに元さんに作品紹介してもらいながら熱く語り合うことが出来、楽しかったですね。紹介していただいた作品のうち何冊かは先日GETしましたので、読んだら感想お伝えしますね。それから、実駒さん、女性なんだから何度も「抜く」「抜く」って言わないように(笑)
そうそう、企画中で心に残った言葉を2つほど。

企画終了後(26:30〜)

上で書いたように、元さんとジュブナイルポルノについて語り合ったりとか、おがわさとしさんと実駒さんに「モーニング娘。三次元 − Berryz工房四次元説」について熱く語ったりとか(モーニング娘。は三次元だから一般人でも認識できるが、Berryzは四次元だから特殊な人間しか認識できない。ましてや℃-uteに到っては五次元だから肉体人では認識不能とか(笑))、BANANAさんのチェコアニメの本を見たりしてすごしました。ずんこん実行委員長の七里さんお手製の「ずんだ餅」のなんとおいしかったことよ。これだけで、来年絶対参加するぞと心に決めた私っていったい…。結局、明け方5時に睡魔に負けて沈没…。そうそう、どなたかの「百億の昼と千億の夜」ウィスキー、おいしゅうございました。ありがとうございます。

クロージング(32:00〜)

まあ、いつものように企画主催者による企画感想を聞きながら、まったりした雰囲気の中、閉会。大澤さん始め、スタッフの皆様方、本当にお疲れさまでした。
終わったあとは、みんなでぞろぞろと朝食に。いっしょに朝食のテーブルについた○○○さんの名前が実は本名じゃなくてペンネームだと初めて知りびっくり。どう考えても、本名の方がペンネームっぽいですってば! 今回一番のサプライズでしたわ。

というわけで、今年も京フェスは無事終了。みなさん、また来年お会いしましょう。