ロバート・Ｊ・ソウヤー「ヒューマン−人類−」（ハヤカワ文庫ＳＦ）★★★☆

ヒューマン -人類- (ハヤカワ文庫 SF (1520))

ネアンデルタール・パララックス第二弾。前作「ホミニッド」が、ネアンデルタール人社会と我々クロマニヨン人社会の科学や生活慣習、ものの考え方に焦点を当て、そのあまりに大きな違いに登場人物といっしょになって驚き、楽しみ、わくわくするという面白さがあったのだが、三部作のミドルパートに当たる本作は、既知の事柄が大半を占め、残念ながら前作のようなセンス・オブ・ワンダーは感じられなかった。まあ、シリーズものの常として、いたしかたない点ではあるんだけど、だからといって、ハーレクインか、はたまた○○ロマンスかと思わず突っ込みたくなるような三角関係ラブロマンスで引っ張りまくるのはいかがなものか、と（なんてったって、駅弁○ｏｏ○しちゃうんだもんな〜（笑））。それでも、ぐいぐい読ませるソウヤー節は健在だから面白いことは面白いんだけど、もう少し「ＳＦとしての面白さ」が欲しかった。ラストのラストで最終巻につながる大ネタが出てくるから、次にどんな大風呂敷を広げて楽しませてくれるのか期待したい。（評価：★★★☆）