SFマガジン2005.7月号感想
特集「ぼくたちのリアル・フィクション2」
うーん、どうもこのリアル・フィクションという括りがわかったようなわからないような…。なんとなく「気分」としては理解できるけど、無理して「リアル・フィクション」なんてジャンルを作って押し込めるほどのものでもないような気が。あと、これらの小説を「ぼくたちのリアル・フィクションだ!」と共感する層と、SFマガジンの読者層って、あまりリンクしないような気がする…。あ、去年の読者層が「さいたまチェーンソー少女」だったから、そんなこともないのか。
ネットと繋がった少女たちが幅を利かせる未来社会の描写が面白いのと、最後の気球のシーンが「絵的」に美しいので、けっこう気に入った。ラストの唐突さには賛否両論があると思うが、これはこれで余韻があっていいかも。最後のPost Scriptumは余計。
- 「遊星からのカチョーフーゲツ」桜坂洋 -2
「さいたまチェーンソー少女」に「-3」を付けたので、これにも同じ点を付けようと思ったが、大人げないので「-2」に。今から考えると、思いっきり弾けてた「さいたま〜」の方が、こじんまりとまとまった本作よりも、まだマシだったかも。2人の少女のあいだですべてが完結してしまっているため、前作と異なり「セカイ系」にすらなってないところが最大の難点か。
ところで、本気で五編くらいのシリーズ化、考えてます?>SFM編集部様。その場合、残り三編は本誌に載せず、いきなり文庫収録として下さいませ、お願いですから…。
- 「野天の人」平山瑞穂 +1
この雰囲気はけっこう好み。未読だった「ラス・マンチャス通信」も読んでみることにしよう。ただ、これはどう見ても「リアル・フィクション」じゃないと思うのだが、編集部の定義では、こうした作品も含まれるのだろうか? もしそうだとしたら、もう何が何だかわからないや(笑)
- 「宇宙色のブーケ」西島大介 -1
どなたかも書いてたけど、西島さんの絵はこのストーリーに合ってないように思う。まあ、このポップな絵柄だからあまり暗くならずにすんでるんだけど、それがいいのか悪いのか…。
- 「おまかせ!レスキュー[85]」横山えいじ +0