しゃんぶろう通信

姫川みかげ です。ミステリやSFの感想など。

[本に関するエトセトラ] No.7 (日本推理作家協会賞の改革案とか)

■ネタとしては、ちょっと鮮度が落ちちゃったけど、一応書いておこうっと。

このたび、日本推理作家協会の新理事長に大沢在昌氏が就任しましたが、それに伴って、あちこちの媒体に日本推理作家協会賞の改革案が。

まず、朝日新聞の6/22夕刊「こと場」欄より引用。

抱負として、同協会賞の改革を強調する。過去の受賞者を選考外とする規定を変えたいという。
「カッコ付きで、その年のザ・ベスト・ミステリーといえるかどうか。新しい才能に光をあてつつ、既受賞者の作品も顕彰できればいい」

次は、日本経済新聞の6/26朝刊「文壇往来」欄より引用。

大沢はまず日本推理作家協会賞の改革に取り組みたいという。協会賞は出版社のひも付きがない独自の賞で「長編および連作短編集部門」「短編部門」「評論その他の部門」の三部門があり、今年で五十八回目。しかし「その年の最も優れたミステリーに与える賞」という趣旨が徹底せず、まだ知名度は低い。
その原因の一つには既に受賞した作家は二度受賞できないという規定にあるようだ。とくに高度な技法やアイデアが求められる短編では、既受賞者を除外した場合、傑出した作品が選べないという事情がある。(中略)
大沢は「いま雑誌からは読みきりの短編が減ってきている。短編に目を向けさせるためにもベストミステリーを選びたい。既受賞者が受賞できれば、ベテランの新たな目標にもなる」

大沢さん、どうやら本気みたい。この考えって、椎名誠が「本の雑誌」でよく唱えている「○○賞チャンピオンベルト制」と同じ考えですねー。とにかく、その年一番のミステリを書いた者がチャンピオンとなって、次の年は防衛戦。負ければベルトを返上する変わりに、防衛もできるし、返り咲くこともできる。
この案が実現したら、例えば「宮部みゆき2連覇達成!」とか、そういったことも現実となるわけで、かなり面白そう。大沢さん、頑張って下さいませ。

※実は、自分が何度も受賞したいからだったりして(笑)