「カナリア」
昨日は休日出勤だったので(泣)、それなら…と、帰りに前から気になってた映画を観てきました、塩田明彦監督の「カナリア」。オウム真理教の「地下鉄サリン事件」をモチーフに、カルト教団で育った少年の事件後の姿を描いた問題作。
「カナリア」
公式サイト→オフィス・シロウズ 公式サイト
物語は、地下鉄事件のあと、たった一人の妹と離ればなれにされ更正施設に隔離された少年が、施設を抜け出し、道中偶然知り合った少女とともに妹を取り戻す旅に出る、ある種のロードムービーなんですが、教団の教義が抜けきらない寡黙な少年と、親から見放され何もかも捨てた饒舌な少女の2人の演技が(特に少女役の谷村美月の体当たり演技が)すごい(ちなみに、少年役の石田法嗣は「誰も知らない」の柳楽優弥に見た目も雰囲気もすごく似てる)。
この映画のキモはやはり、カルト教団内部の苛烈な修行風景だけど、フィクションとはいえオウムを彷彿させる凄まじさは一見の価値あり。心の底から信じていたものが揺らぐなか、自分にとって何よりも大事なものは何かを見つけだしていく…そんなお話でした。これから、さらに過酷な日々が待ち受けているであろうにもかかわらず「希望」を感じさせるラストは、「誰も知らない」に通ずるものを感じましたね。採点は75点ってとこかな?
PS この映画では、往年の名曲「銀色の道」が効果的に使われています。そう、「遠い〜遠い〜はるかな道は〜」で始まる、あの曲です。見終わっても、いまだに頭から離れませんねー。「パッチギ」の「イムジン川」といい、昔の歌には心を揺さぶるすごいパワーが秘められたものが多いなぁと改めて思いました。
#ちなみに、現時点での「今年観た邦画ランキング」(点数は、新たな映画が加わると、相対的に変動します)。
次は何を見に行こうかなぁ。やっぱり、「ローレライ」かな?